フリブールはベルンの南西約30キロ、サリーヌ川に面したフリブール州の州都。
チューリッヒとローザンヌ・ジュネーブを結ぶ高速道路や鉄道の幹線上にあるので訪れやすい町です。
この町はプロテスタントが主流のスイスでは珍しくカトリック優勢の町で、宗教改革時にはカトリック勢力の拠点だったことでも知られています。
また、この町のもうひとつの特徴は町の真ん中に言語境界線が走っていること。実際にはフランス語を使う住民のほうが多数派ですが、川を境に東側はドイツ語地域となっています。
町の名前もフランス語の「フリブール Fribourg」とドイツ語の「フライブルク Freiburg」の2通りあり、サリーヌ川もドイツ語では「ザーネ川」といかにもといった名前に変わります。散歩しながら町の中でその境目を探してみるのもおもしろいところ。
の基礎データ | |
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基礎自治体 Gemeinde/Commune/Comune |
フリブール/フライブルク Fribourg/Freiburg |
所属州 Kanton/Canton/Cantone |
フリブール州 Canton Fribourg Kanton Freiburg |
言語 Sprache/Langue/Lingua |
フランス語(スイス・ロマンド) ドイツ語(スイス・ドイツ語) |
郵便番号 Postleitzahl/Code postal/Codice Postale |
1700 |
標高 Höhe/Altitude/Altitudine |
610m |
人口 Einwohner/Population/Abitanti |
38,500人(2016年) |
行政ウェブサイト | www.ville-fribourg.ch |
フリブールへのアクセス・交通
フリブールへは列車で入るのが一般的。スイス国鉄フリブール駅は町の西の端にあり、列車が到着するときに外を見ているといかに街に高低差があるかよくわかります。
駅としてはかつては「Fribourg」だけで表記されていましたが、近年はドイツ語圏を中心にFribourg/Freiburgとドイツ語も併記するようになってきています。まず間違うことは無いと思いますが、誤認防止のためドイツのフライブルクは「イム・ブライスガウ Freiburg im Breisgau(Brsg)」と表記されていることがほとんど。
各地からの所要時間は、ジュネーブ(コルナヴァン駅)から1時間20分、ローザンヌから43分、チューリッヒ中央駅から1時間23分、ベルンから21分、ルツェルンから1時間26分。これらの各地からは乗換なしで到着可能。ベルン都市圏にあたるので、ベルン近郊路線を走るSバーンも運行されています。面白いのはドイツ語圏方面へ向かうRegioについては「Sバーン」、逆にフランス語方面へ向かうものは単に「Regio」と呼称されていること。
フリブールの主な見どころ
フリブール旧市街
Vieille ville de Fribourg / Altstadt Freiburg
フリブールの見所はなんといっても、1157年から続く歴史ある旧市街。
神聖ローマ帝国によるスイス支配が終わった後、ベルンを築いたツェーリンゲン家ベルヒトルド4世によって建設された要塞が町の起源で、ハプスブルグ家とサヴォイア家の支配を経て、1481年にスイス(当時拡大を続けていたスイス誓約者同盟)に加盟しました。
フリブールの歴史については、市庁舎の北にあるフリブール美術・歴史博物館(Musée d'art et d'histoire de Fribourg)で詳しく紹介されています。
フリブールのシンボルともいえる聖ニコラ大聖堂(Cathédrale Saint-Nicolas de Fribourg)は市庁舎前の広場から南側に見えています。サリーヌ川沿いの高さ50メートルの崖の上に建っているゴシック様式の聖堂で、高さ76メートルの塔が印象的。塔の上へは階段しかありませんが、フリブール市街と一望できるのでぜひ。