シャフハウゼンはチューリッヒから北へまっすぐ、スイスのほぼ北端に位置するドイツ国境に近いライン川沿いの古都。
中世の佇まいをそのまま残す旧市街など美しい街並みもさることながら、この街で有名なのはなんといっても「ラインの滝 Rheinfall」。スイス・グラウビュンデン州に端を発し、オーストリア国境をかすめてフランス、ドイツ、オランダ、そして北海へと至る全長1,233キロにも及ぶライン川本流の中で、唯一の滝がここ。滝が流れ落ちるすぐ間近まで船で近づくことができ、特に雪解けシーズンの春から初夏にかけては水量が増して大迫力の光景を見ることが出来ます。
スイス国内ではバーゼルとならぶ工業都市という側面もあり、高級時計ブランドとして有名なIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)の本社もここシャフハウゼンにあります。
シャフハウゼンの基礎データ | |
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基礎自治体 Gemeinde/Commune/Comune |
シャフハウゼン Schaffhausen |
所属州 Kanton/Canton/Cantone |
シャフハウゼン州 Kanton Schaffhausen |
言語 Sprache/Langue/Lingua |
ドイツ語(スイス・ドイツ語) |
郵便番号 Postleitzahl/Code postal/Codice Postale |
8200 |
標高 Höhe/Altitude/Altitudine |
403m |
人口 Einwohner/Population/Abitanti |
36,148人(2016年) |
行政ウェブサイト | www.stadt-schaffhausen.ch |
シャフハウゼンへのアクセス・交通
シャフハウゼンへは列車で行くのが一般的。
シャフハウゼン駅は旧市街のすぐ西側にあり、中心部とほぼ直結しているような立地なので便利。ドイツ方面へ直接向かう列車も発着するため、スイス国鉄・ドイツ鉄道(DB)双方の切符売り場があります。
各地からの所要時間は、チューリッヒ中央駅39分、ベルン1時間48分(チューリッヒ乗換のほうが早く、直通IRだと2時間12分)、バーゼルSBB駅からはドイツ領内経由ルートで約1時間20分(バーディッシャー駅経由)、シュツットガルト中央駅2時間14分(チューリッヒはIC/IR利用、シュツットガルトはIC利用、それ以外はカッコ書き参照)。
シャフハウゼンの主な見どころ
ラインの滝(ラインファル)
Rheinfall
高さは23メートルとさほど無いものの、幅が150mにも及ぶ横に大きな滝。流れ落ちる水量は平均で毎秒700立方メートルにも及びます。
ライン川はグラウビュンデン州の山奥に端を発することもあって、特に雪解けのシーズンには水量が増大、それに比例して迫力も増してきます。滝の周辺では遊覧船がひっきりなしに発着しているので、ぜひ乗ってみて滝ツボまで行ってみることをオススメします。水量にもよりますが、危険がなければ中洲の岩の上へ登ることも可能です。
アクセスはいくつか方法があり、シャフハウゼン駅からバスでシュロス・ラウフェン・アム・ラインファル(ラウフェン城・Schloss Laufen am Rheinfall)まで行く方法が最も簡単。3月下旬〜10月下旬の日中限定ですが、列車でも行くことができヴィンタートゥール(Winterthur)方面行きS33系統(Regio)で2駅のバスと同名の駅で下車、そこから途中に展望テラスのある遊歩道(有料・CHF1.00)を抜けると滝に到着です。
シャフハウゼン旧市街
Altstadt Schaffhausen
シャフハウゼン旧市街は駅の東側一帯に広がっていて、駅沿いの大通りバーンホフ通りから少し中へ入ったところにあるフォルシュタット通り(Volstadt)とフォルダー通り(Vordergasse)、その2つが交わるフロンヴァーグ広場(Fronwagplatz)周辺が中心部。人通り、商店もこのあたりが一番多め。
ここから東へフォルダー通りを進むと、色とりどりの彫刻や壁画を施した家や建物が並んでいて見ているだけでも楽しい。その中でも65番地の「騎士の家 Haus zum Ritter」の壁画が特に素晴らしいので必見です。
シャフハウゼンは第2次世界大戦末期の1944年、アメリカ軍によってドイツ領と誤認され、スイス国内で唯一本格的な爆撃を受けてしまった悲劇的な過去があります。
スイスは永世中立国のため直接戦争には参加しておらず、ナチス・ドイツの脅威にさらされながらもなんとか中立を保っていました。しかしこの周辺は国境が入り組んでいて、かつ街のすぐ東にはビュージンゲン・アム・ホッホライン(Büsingen am Hochrhein)という周りをスイスに完全に囲まれたドイツ領の飛び地が存在することもあり、特に夜間の爆撃では見分けがつかず悲劇を招いてしまったとのことです。