周囲に72もの滝がある谷の底にある小さな村、ラウターブルンネン。
「ラウターブルンネン」の名前の由来は「音の鳴り響く泉」と言われることも多いですが、1240年頃にロマンス諸語で「綺麗な(もしくは多くの)泉」を意味するクラロ・フォンテ(In Claro Fonte)と呼ばれていたことから、そちらが正しい由来という説もあります。
メンリッヒェンを挟んでグリンデルワルトの西側の谷に位置していて、こちらもクライネシャイデック、ユングフラウヨッホへ通じる登山の起点。
ここを訪れる人の数は多いものの、その殆どがユングフラウヨッホやウェンゲン、ミューレンを目指す観光客ということもあってここに滞在する人は意外と少数派なので、電車が終わったあとの時間帯は本来の静かな雰囲気が漂う素朴な村へともどっていきます。
1779年にはゲーテがこの村を訪れ、シュタウブバッハの滝のすぐそばに居を構えて「水上の精霊たちの歌 Gesang der Geister über den Wassern」を執筆しています。
ラウターブルンネンの基礎データ | |
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基礎自治体 Gemeinde/Commune/Comune |
ラウターブルンネン Lauterbrunnen |
所属州 Kanton/Canton/Cantone |
ベルン州 Kanton Bern |
言語 Sprache/Langue/Lingua |
ドイツ語(スイス・ドイツ語) |
郵便番号 Postleitzahl/Code postal/Codice Postale |
3822 |
標高 Höhe/Altitude/Altitudine |
802m |
人口 Einwohner/Population/Abitanti |
2,400人(2016年) |
行政ウェブサイト | www.lauterbrunnen.ch |
ラウターブルンネンへのアクセス・交通
ラウターブルンネン駅
Lauterbrunnen Bahnhof
ラウターブルンネン駅は村の北の端にあり、インターラーケン・オストからのベルナーオーバーラント鉄道(BOB)、ウェンゲンからのウェンゲルンアルプ鉄道(WAB)が発着しています。
また、駅前広場を挟んだ反対側にあるゴンドラ乗り場からは西側の谷上のグリュッチュアルプへ上がることができ、その先は鉄道でミューレンまで繋がっています(BLM)。ちなみにミューレンへは駅前のバス停からシュテッヘルベルクまで行き、そこからゴンドラで上がる方法もあります。
グリンデルワルトと同様に、スイス各地からはまずインターラーケン・オストを目指す、ということになります。インターラーケン・オスト駅発の列車はラウターブルンネン行きとグリンデルワルト行きが同じ列車として扱われることがあり、その場合途中のツヴァイリューチネンで切り離しとなるので注意。
各地からの所要時間は、チューリッヒ中央駅から2時間23分、ジュネーブ(コルナヴァン)駅から3時間13分、バーゼルSBB駅から2時間25分、ベルンから1時間20分、インターラーケン・オストから20分。
ラウターブルンネンの主な見どころ
ラウターブルンネンは狭い谷に挟まれた谷底にあり、駅から南方向にのびる通りがメインストリート。
シュタウブバッハの滝
Staubbachfall
72あるラウターブルンネンの滝の中で最も有名&規模の大きい滝がシュタウブバッハの滝。落差297メートルの崖を大量の水が落ちる風景は圧巻。
「シュタウブ」とは塵の意味で、霧のように水分が拡散することからこの名が付きました。この風景に魅了されたゲーテは近くに住み、作品を執筆したと言われています。
特に水量が多く迫力が増すのはやはり雪解けの時期。冬は全体が雪と氷に覆われるため、水量は減りますが幻想的な雰囲気になります。
アクセスは駅・中心部から徒歩で約15分。
トリュンメルバッハの滝
Trümmelbachfälle
ラウターブルンネンの中心から約3キロ南の東側の崖にある滝で、ユングフラウやアイガー周辺の氷河から溶けた水が何層にもなる洞窟の中を最大で毎秒2万リットル流れ落ちています。
最大の魅力は、この洞窟の中にエレベーターや遊歩道が整備されていることで、間近に迫力ある水流を見学することが可能。
アクセスは徒歩(中心から約45分)ラウターブルンネン駅前からポストバス141番シュテッヘルベルク行きでトリュンメルバッハフェレ(Trümmelbachfälle)下車。ラウターブルンネン〜ミューレンの移動途中に立ち寄るのもオススメ。入場料は大人CHF11.00で、4月から11月の間のみ見学可能。原則9:00〜17:00で、7月〜8月のみ8:30〜18:00となります。ただし、水量や天候によって見学不可の場合があるので注意が必要。
シルトホルン
Schilthorn
Schilthornbahn
シルトホルンの名前は知らなくても、ここの頂上にある展望台「ピッツ・グロリア Piz Gloria」はどこかで見たことが...という人も多いかもしれません。
実は1969年公開の007シリーズ第6作「女王陛下の007」でジェームス・ボンドが潜入した敵の研究所の撮影はここで行われ、その後レストランに改装されました。360度回転するレストランでは、007にちなんだメニューや記念ピンバッジなども売られているので、ファンは必見。
ここからの眺望も素晴らしく、ユングフラウ地方の西のはずれにあるためアイガー・ユングフラウ・メンヒの3山の全体像をはっきり見ることができます。その他にもブライトホルン(Breithorn 3,782m)など200以上の山頂を見ることができます。
また、ミューレンとシルトホルンの間にあるビルク(Birg 2677m)には断崖絶壁に設けられた金網と手すりだけで作られた通路「スリルウォーク」があり、絶景を楽しめると同時に最高の恐怖が無料で体験できます。
シルトホルンへの行き方
まずミューレンまで行き、シルトホルン鉄道ロープウェーを利用します。中腹の途中駅ビルク(Birg)で一度乗り換える必要があり、ラウターブルンネン・シュテヒェルベルク方面の谷底から上がる場合は途中2回の乗換となります。シュテッヘルベルクを出てすぐ右側にミューレンバッハの滝が見えるのでそちら側に陣取るのも忘れずに。
料金・割引情報
ミューレン〜シルトホルン往復:大人CHF82.20
ラウターブルンネン〜シルトホルン往復(グリュッチュアルプ経由):大人CHF105.00
ラウターブルンネン〜シルトホルン往復(周遊ルート):大人CHF114.20
スイストラベルパス・トラベルパスフレックス:50%割引(有効適用日のみ)
ハーフフェアカード・GA:50%割引
ラウターブルンネンのオススメホテル
スイスツアーズが厳選したラウターブルンネンのホテルをご紹介します。
スイスツアーズではご案内するホテルに一定の基準を設け、どれだけ安くてもその基準を下回るホテルをご案内することはありません。
「ただ泊まるだけ」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、泊まるホテルは意外と印象に残るものです。
シュタウブバッハ
STAUBBACH
ホテルのすぐ近くに流れ落ちる滝と同じ名前の家族経営ホテルで、ユングフラウ地方の観光開拓が始まった時期から100年以上営業しています。
ホテルの共用バルコニーと一部のお部屋のバルコニーからシュタウプバッハの滝が眺められます。
お部屋はすべてリノベーション済みで、周囲の環境を楽しむためお部屋に音の出るもの(TV・電話など)は置いていません。
ラウンジでは無料のコーヒーサービスや、キッズコーナーもあり家族での滞在もお勧めです。
Im Rohr, 3822 Lauterbrunnen
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シルバーホルン
SILBERHORN
ラウターブルンネン駅から徒歩2〜3分の家族経営ホテル。
グリュッチュアルプ・ミューレン方面へのロープウェー乗り場もすぐで、ラウターブルンネンを拠点に観光する場合非常に便利な立地。
スイスらしいコテージ風の建物で、併設レストランでのハーフボード(朝夕2食付き)予約も可能です。
Zuben, 3822 Lauterbrunnen
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